Twitterにおけるエアリプ文化について

Twitterにはエアリプという文化が存在する。
エアリプとは、エアリプライ(air reply)の略である。空中リプライとも呼ばれる。
どういうことか簡単に説明する。
例えばAとBという相互フォロー・フォロワーが存在してる前提で
タイムライン(以下TL)上で

A 今日は暑かったなぁ
B そうだね

という投稿がされたとする。
BはAのツイートに対し同意をしている。これだけ見ると何も問題ないように思えるがそうではない。
BはフォローしておりAはフォローしていないZという人がいるとする。
ZのTL上には突然

B そうだね

というツイートが浮かび上がる。
Cからすると何に対する同意か全くわからない。エアリプという仕組みを理解していれば
誰かのツイートに対しての同意なんだろうなという予測はつくがもやもやするし、
あまり気持ちのいいものではない。

これが例えば

A 今日は暑かったなぁ
B @A そうだね

というリプライツイートになれば、AをフォローしていないZのTLには
"B そうだね"というツイートは表示されない。


何故リプライをしないのか?

ここで一旦私事になるが、私がTwitterを始めたのは2009年。始めてからだいぶ経ってはいるが
私の周りのコミュニティでは既にTwitterを始めている人が多かった。
私が始めた頃、フォロワーはみんなエアリプで会話をしていた。
始めたてでコミュニティ(クラスタ)内の一部しかフォローしておらず上記のZのように
一部のツイートしか表示されず、会話の全体図が見えない事も多くもやもやしていた。
今でもよく覚えているがそのTLを眺め私はこう思った。
「何故みんなリプライを飛ばさないのだろう?
相互以外の人が一部のツイートを見たら会話の全体図が見えないし、
みんなネット上のマナーが悪い!」
ただ、他人に自分のルールの押し付けなどはしないしそういうものなら仕方がないと思っていた。
事実私が始めた当初は
他の人のツイートに対して何かを伝えたい、反応したいときには必ずリプライをするようにしていた。
しかしフォロワーが明らかに私のツイートに対してのツイートをしていることはあっても
リプライを送ってくることは少なかった。
そういった場合はリプライを飛ばしたり仕方なくスルーしたりしていた。
自分がツイートする時は独り言、自己完結しているツイートが多かったように思える。

はじめてしばらくはそういったマイルールでTwitter生活を送っていたが
正直あまりおもしろいものではなかった。
しかし時期は忘れたが開始から1,2年ぐらい経った時だったか、
なにか思いたち、クラスタ内の(と思われる)アカウントを一斉に30人ぐらいフォローした。
ほぼ面識のないアカウントである。

するとどうなったか。
今まで一部しか見えていない会話の全体図がすべてTLに現れたのだ。
TLでは上記で言うA・Bに収まらずCDEFGHIJ 複数のアカウントが思い思いにツイートをし、
エアリプをしあっている。
私もそこに混ざりエアリプをする。エアリプで返事が来る。更にエアリプで返す。
楽だ。一つ一つにリプライを返すより圧倒的に楽なのである。
次第に自己完結するツイートをやめ、周りに人がいる前提のツイートに変わっていく。
そのツイートにエアリプがある。エアリプで返す。楽しい。これは楽しい。

そしてこの自分を含めてクラスタ内で完結しているエアリプTLを見ると話は変わってくる。
というのも複数アカウントで構成される一つのTLにおいて、
誰かのツイートに対してリプライを飛ばすのは"テンポが悪い"のだ。
例えば

A 今日は暑かったなぁ
B そうだね
C でも昨日のほうが暑かったじゃん
D こっちは寒かった
E 最近寒暖の差が激しいね
F 確かに

というエアリプTLがあったとする。これが

A 今日は暑かったなぁ
B そうだね
C @A でも昨日のほうが暑かったじゃん

とリプライを飛ばすと
CはAに対してリプライを飛ばしているのでありDにはリプライしていないので
"D こっちは寒かった"というツイートがこの後になくはないが
少なくともCに対してのエアリプとしては"通りにくい"のである。
さらにこの会話をすべてリプライ込で行い、全てに一度リプライしようと思うと

A 今日は暑かったなぁ
B @A    そうだね
C @A でも昨日のほうが暑かったじゃん
A @B やっぱそう思う?
A @C 同じぐらいだと思うな~
D @A こっちは寒かった
A @D どこ住んでたっけ?
E @A 最近寒暖の差が激しいね
A @E 体調には気をつけないとね
F @A @E 確かに
A @E @F でしょ
E @A @F 栄養があるものを食べよう

書いててよくわからなくなった上にエアリプTLに比べて内容を無理やり増やしているので
一概に比較はできないが、とりあえずどちらがシンプルかは言うまでもないと思う。
これは一つのリプに一つのリプで終わっているが、実際にはそれぞれ会話が続けられる。
下のAEFの会話のように誰かのリプに対しリプをつけるともう収拾がつかない上
どちらに言っているのかわからない。


以上がエアリプTLのメリットである。
これだけ書くと一クラスタ内においてはエアリプ最高!リプライの方がわかりにくい!
ということになるがもちろんそんな事はない。
エアリプTLにはエアリプTLのルールが有り、デメリットがある。

①エアリプが想定と違う人に刺さる

主にマイナス面(怒り・憎しみ)の場合が圧倒的に多いがあえてプラス面で例をあげると
A 大学受かった!
というAのツイートを見てBが
B おめでとう!頑張ってたもんね!
とツイートした場合。タイミング悪く
C 高校受かった!
とCがツイートした場合、CはBが祝ってくれたと思うかもしれないしAの事を祝ってるのかもしれないとわからなくなる。さらに言えばCがAと相互でなかった場合、BはAに対して言ったのにもかかわらず
CはBに言われたと思うだろう。
エアリプが下手と言われる人はだいたいこの"ツイートのタイミングが悪く、違う人に突き刺さってしまう場合にも構わずツイートし、想定と違う人に受け取られる場合が多い人"だと思っている。

②時間制限がある

A 最近なんかいい事あった?
B 1000円拾った!
C この前彼女としたデート楽しかったなぁ~
A BもCも羨ましいなぁ、ところで今晩なにか食べに行く?

というエアリプTLがあった場合
Aのいいことあった?に対するエアリプの有効期間は次のAのツイートで終わっているのである。
というのは、ここでDが遅れてツイートした場合

A 最近なんかいい事あった?
B 1000円拾った!
C この前彼女としたデート楽しかったなぁ~
A BもCも羨ましいなぁ、ところで今晩なにか食べに行く?
D この前見た映画が面白くてさぁ

という場合、Aの2度めのツイートの前なら成立していたがAの2度めのツイートのあとだと
Dは完全に流れから取り残されている。
この場合Aにリプライをしていれば特におかしくはない。エアリプTLに表示されるとおかしい。
上記の例は極端ではあるが、実際のTLでも数分経ったらもうエアリプとしては通用しない。

ただ、この人はいつも自分にエアリプくれるからこのツイートは結構時間経ってはいるけど自分に対してのエアリプだな。とかこのツイートは内容だけ見ると自分へのエアリプっぽいけど普段そんな絡みもないし自分に対してのエアリプではないな。など読みと経験が必要となるなど例外もある。

こう言ったデメリットはあるにしろ、
同一クラスタ内で構成されるTLにおいてはエアリプが一番楽だし楽しいのである。
もちろん私が昔感じていた通りクラスタ外の人から見るとエアリプは気持ちのいいものではない。
それは今でもわかってはいる。
だが、よく見る画像で
「何を勘違いしているかは知らんが俺は自分が楽しむためにTwitterをやってるんだ。
お前のためじゃない」
という画像があるが、まさにエアリプマンに当てはまると思う。
自分にとっては楽しいのだ。
嫌な人はフォローを外すか、この人はエアリプマンなんだな、しょうがないと
許容しているのだと思う。


他人事のように言ってるが今や私は基本エアリプだしクソリプは飛ばすしカンカン朝だよツイートは連投するし早苗さんの画像はRTしまくるしまぁクソアカウント極まりないムーブをしているけど
僕は楽しいので。ネットで楽しくなかったら居場所なくなっちゃうから。
--許し亭許して